モデル立ち(片脚重心ポーズ)

イラスト

モデルの立ちポーズが格好良く見える秘密は立ち方にあります。
モデルが取るポーズは、両脚に均等に体重をかけた「直立ポーズ」のように安定した立ち方ではなく、
一方の脚に体重をかけ身体をうねらせ、骨格のダイナミックなリズム感を表現しているのです。
デザイン画でもっとも重要なポーズは片脚重心ポーズです。

各脚の名称

モデル立ちである片脚重心ポーズは、左右の脚の役割が違うので、
説明がわかりやすいように名称をつけます。

・体重のかかっている脚:軸足

・体重のかかっていない脚:添脚

片脚重心の動き

直立ポーズから片脚重心ポーズに移行する際、脚だけでなく腰も回転運動をします。
この「回転して斜めになった腰」をうまく表現できるかがもっとも重要になります。

片脚重心ポーズの特徴は

  • 軸足の足首は重心線付近にくる
  • 腰がウエストポイント中心に回転し、ウエストラインは軸足側に上がった斜めの線になる

この特徴を頭に入れながらボディを描いていきましょう。

片脚重心ポーズの描き方

①上半身は今まで通り描きます。
片脚重心ポーズは下半身の動きが特徴なので、顔・首・胴は今まで通りに描いていきましょう。

 

②真っ直ぐ描いたウエストラインの真ん中にウエストポイントの印をつけます。
ここを支点に腰が回転することになるので、とても重要なポイントです。

 

③B4サイズでウエストラインから3mmくらい上に、片側の胴の線にポイントをつけます。
もう片側の胴には下に3mmのポイントをつけます。
そして真ん中のウエストポイントを通るように3mm上と3mm下の3点を結ぶ斜めの線を引きます。
この斜めに傾いた線が、新しいウエストラインになります。
ウエストラインが上がっている方が軸足になり、ウエストラインが下がっている方が添脚になります。

 

④腰から上までは、フロントネックポイントから下ろした真っ直ぐの線が正中線になりますが、
腰から下は新しく正中線を描いていきます。
腰の正中線はウエストラインと常に直角になります。
斜めになったウエストラインが水平になるように定規で線を引きましょう。
新しい正中線の長さも、直立の時と同じ股の位置(4頭身目)までです。

 

⑤ヒップラインはウエストラインと平行で正中線に直角になります。
ウエスト幅は直立と同じ1頭部幅、ヒップ幅は2頭部幅になるように
正中線を中心に等間隔に描きましょう。

 

⑥大きなパンツのような形の股を描き、腰のふくらみを入れます。
腰の張りの位置は1/3を目安にします。

 

⑦次に軸足の足首の○を描きます。
ここで軸足の足首は重心線(フロントネックポイントから真っ直ぐ下ろした線)付近に来ることを思い出しましょう。

 

⑧ももの付け根の外側の腰の位置から、足首の○の縁までを直線で結び案内線を描きます。
これから脚を描いていくときに、この案内線からはみ出さないように注意しましょう。

 

⑨ひざ頭は案内線の直線より5mm内側に楕円を描きます。
大きさは顔の1/2くらいです。

 

⑩ひざの外角線は楕円から少し浮かせて直線に描き、
4頭身目までは案内線と同化した太ももの線を引きます。

 

⑪ふくらはぎの外角線はひざからなめらかにふくらみを持たせ、
6頭身目で曲がり角になり、そのあと案内線と交わります。

 

⑫ひざの内郭線もひざ頭から少し浮かせて、楕円をなぞるようにふくらみをつけます。

 

⑬内ももは腰のパーツと重なるようにめり込ませて描くことで
軸足の太ももが細くなりすぎないようにしましょう。
むっちりと少し肉がはみ出すようなイメージです。
その内ももとひざ頭をの内郭線を結べば太ももが描けました。

 

⑭すねの形は複雑なのでひざ頭から足首の○まで直線の案内線を入れましょう。
ふくらはぎは少し丸みを持たせ、6.5頭身目あたりで案内線と交わり、
○までなめらかなS字を描きましょう。

 

⑮足はネクタイの剣先を意識しながら、大きめに描くと安定感がでます。

 

⑯軸足が描けたら添脚を描きましょう。
まず軸足の足首である○の中心に点を打ます。
脚の長さを揃えるために、左右のひざ、足首を結んだ線をウエストラインに平行に描きます。
その線上にひざ・足首の位置を決めた点を打ちます。
点を中心に足首の○とひざ頭の楕円を左右同じ大きさになるように描きます。

 

⑰ひざに肉付けをし、太ももを描きます。
外角線は股関節からほぼ直線で引き、内ももは太くなりすぎないようにひざ頭へ向かい線を引きます。
この時に股からお尻の肉が見えるとリアルになります。
一般的に添脚は軸足と比べると体重を支えていない分、筋肉に緊張感がなくなり太く見えるようになっています。
そのことを意識しながら描きましょう。

 

⑱添脚のひざ下は外角線も内郭線も直線の案内線を引きましょう。
すねの外側は案内線から2mmほどはみ出した山をつくり丸みをつけます。
山は緩やかに、徐々に案内線の直線と交わるように描きましょう。
すねの内郭線も案内線よりほんの少しふくらみを付けてはみ出させ、緩やかなS字を描きます。
ふくらはのふくらみから下は
上1/3くらいから内側にえぐれるように描きましょう。

 

⑲添え脚の足首は軸足より手前にあるので、遠近感を出すために少し大きめに足を描きましょう。

●腕

片脚重心ポーズの腕は片側は腰に手を当て、
もう片側は真っ直ぐ下ろした腕を描いていきましょう。

 

①曲げた方の腕は肩先を支点に、弧を描くように円運動させたひじの軌道を引きます。

 

②外角線を引き、内郭線は外角線と平行になるようにして上腕を描きます。
直立ポーズの時と太さが変わらないように注意しながら首よりも細く描きましょう。

 

③肩の筋肉と脇を描いてボディと腕をスムーズに繋ぎます。

 

④前腕は先に平行四辺形のような形の手の甲を描き、腰を掴んでいるような形の指を描きます。
親指は腰の内側にいくので正面から見えなくなるため、
関節の曲がり具合を考えながら人差し指とその他の指が見えるように描きましょう。
後ろにある親指が少しだけ見えるように線を引けるといいでしょう。

 

⑤手首と前腕の外角線を繋いでひじを描きましょう。
次に手首からひじに向かって少し広がるように内郭線を引きふくらみをつけます。

 

⑥下ろした方の腕は、今まで通り上腕・前腕・手の甲・指の順で描いていきましょう。

 

⑦顔のパーツを描いて、ボディを下敷きに新しい紙にヌードを描けば
片脚重心ポーズの完成です。

 

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