枠線ができたら次はボディを描いていきましょう!
ボディは関節ごとにパーツを区切って描くことで人体の動かし方がよくわかります。
用意する物は、前回の記事で描いた枠図と、レイアウトパッドやクロッキー帳など下がやや透ける薄めのB4サイズの紙と35cm以上の定規です。
枠図を下敷きにし、透ける紙に身体を描いていきます。
枠図の描き方はこちらです↓
この方法で何回も練習することにより、だんだん下敷きの枠図も必要なくなり、自分の感覚だけで8頭身ボディがなにも見なくても描けるようになっていきます。
滑りやすいので少し描きにくいのですが、今回はわかりやすいようにトレーシングペーパーで描いてみます。
自分で練習するときは、トレーシングペーパーではない薄い紙(レイアウトパッド等)で描くといいでしょう◎
こんな感じですけすけだと下敷きにした枠が見やすくなります。
枠と重ねた紙が動かないように、上をマスキングテープで止めておくと安全です◎
①頭
まずはじめに枠図の重心線を写します。
定規でまっすぐ引いてください。
次に頭を描きます。
頭全体は0から1の間にすべて収まるように、1頭身を3分割し、上2つに円を描きます。
その円の外側から1のラインに向かってアゴのラインを卵形に描きます。
顎先が、1のラインにくるように、おさまりよく描きましょう。
②首
次は首を描いていきます。
首の縦線は重心線から左右1/2頭部幅になるように、均等に1から下に鎖骨部分まで直線を引く。
首付け根の線は、裾に丸みをつけた楕円に描きます。
③肩幅・肩・胴・ウエスト
次は肩幅・肩・ウエストを一気に描いていきましょう。デザイン画では前屈みになることはないのですべて一括りで考えます。
まず肩幅は2頭部幅にし、横に線を引きます。
次にウエスト幅は1頭部幅にし、横線を引く。
この二つの横線の外側の端どうしをつなぐ線を引き、胴体の逆三角形ができあがります。
このままでは首から肩をつなぐ線がないので、首の縦線の長さを3等分し、下から1/3のところに肩のポイントをつけそのポイントから肩幅の線の端を結日ます。
両方の肩と首の線をつないだら、だんだん胴体っぽくなってきましたよね?
次にこのままでは直線的すぎるのでふくらみをつけていきます。
ここでパーツは基本的に紡鍾形(円柱状で真ん中が太く、両端がしだいに細くなる形)になっていることを覚えておきましょう。
バストトップのラインを頂点として、肩幅とウエストをつないだ線の両端から2mmほど外側にポイントを付け
細く穏やかな三角形を作ると身体に丸みがつきます。
④胸
胸は、バストトップを中心に円を描いていきます。
バストトップは重心線を中心に1頭部幅なので、枠図の2のラインに点を描きましょう。
バストの丸みを表現する円は、重心線から2mmずつ合計4mmほど間を開けたポイントと、
胴体の輪郭に沿うように、胴からはみ出さないように弧を描きます。
はみ出さないように描く理由は、正面から見てその円が胴からはみ出ていると、実際の人間に置き換えたらかなり胸の大きな体つきになるからです。
デザイン画には胸の大きさを強調する必要はありません。
きちんとおさまるように、直径2cmの円を描いていきましょう。
下着で矯正した状態の胸と考えながら、円を二つ描きます。
⑤腰・ヒップ
ヒップ幅は重心線を中心に2頭部幅になります。
枠のヒップライン線に2頭部幅のポイントを引き、ウエスト幅とヒップ幅をつなぎます。
ここまでで台形ができていますよね。
次は枠4の線のところに重心線を中心に1mmずつ合計2mmの股にあたる短い線を引きます。
その股の線と、先ほど描いた台形の端どうしを結びます。
そうすると、大きな下着のような形ができあがっていますよね。
この線が腰のラインになるので、ここにもバストと同じようにに丸みをつけていきます。
ウエストラインから股のラインまでの縦幅の長さを3等分します。
上から1/3のところを目安に、台形の線から2~3mm程度外側にポイントをつけ、
バストのときのように細い三角形を描き腰の線を結びます。
骨盤の骨が張っているようなイメージです。
⑥脚:ひざ・太もも
次は大事な脚の部分を描いていきます。
脚は形が複雑であり、デザイン画の中で露出や動きが多いためもっとも重要なパーツ。
今回は直立ポーズなので、まずは枠線の足首のラインに重心線を中心に二つ○を描きましょう。
○の大きさは二つで2/3頭部幅くらいにします。
その○の外側の弧と腰の外側を一直線で結び、V字を作ります。
この線は脚を描く上での案内線になります。
次にひざと太ももを描いていきます。
ひざ頭を重心線を中心に二つずつ描きます。大きさは顔の1/2程度の楕円で、案内線から5mmほど内側に弧が収まるようにします。
ひざ頭からすこし浮かせてゆるやかな直線の外郭線を描きます。
そのひざ頭外郭線の上と太ももの付け根にあたるヒップラインの線を結び脚の外側の線を描きます。
骨盤があるのでヒップラインから股までの間はひざ頭の外郭同様、直線を描いておくと自然になります。
次は骨盤のラインから、膝までを繋ぎます。
フリーハンドでやわかい両腿の外側の線を描きましょう。案内線からはみ出さないように気をつけてくださいね。
次にひざ頭の内郭線は、楕円から少し浮かせてふくらみをなぞるように丸みをつけます。
その内郭線から内ももの付け根を股のラインから線を伸ばして結びます。
内もものはじめ数センチ(B4なら1cm)はむっちりと丸みをつけ、あとはなめらかな線で引きます。
このように少し肉感があるとよりリアルに見えます。画像の矢印を意識しながら描いてみてください。
⑦脚:ふくらはぎ
ふくらはぎの一番ふくらんだししゃも部分の外郭線は、はじめに脚の案内線として描いたV字の案内線と、ひざ頭から丸みをおびた線を引いたときにぶつかるところになります。
すねの部分はそのまま案内線が外郭線になります。
美しいふくらはぎは、筋肉のふくらみが高い位置にあるということを覚えておきましょう。
次にふくらはぎの内側を描いていきます。ひざ頭から足首の○までに案内線を引くと描きやすくなります。
この案内線を基準になめらかなS字を描いていきます。
内郭線は外郭線のふくらみよりも低い位置がもっとも丸みをおびます。
臑は足首に向かうまでに一端細くなるので、6.5頭身あたりで案内線とぶつかり、7頭身あたりのラインで少しえぐれ、中心側に向かうような形になります。
⑧脚:つま先
つま先はネクタイの剣先のような形を意識して描きます。
足は大きめに描くと安定感とリアルさが出るので大きく描きましょう。
枠の足首の線と8の線までの長さと同じ分くらい、8の線からはみ出してネクタイの形を描きます。
直立ポーズの時の足は、ハの字に開かせましょう。
⑨肩・腕
腕は肩の丸みがポイントになります。
肩関節は足首と同じくらいの大きさの○になるように円を描き、円の中心は2頭部幅の位置にあります。
この円の上からバストトップラインくらいまで丸みをつけて線を引きます。
肘関節も足首と同じくらいの幅にし、上腕部分は外郭も内郭も肩からそのまま直線で下ろします。
手首の関節は肘より少し細めにする。
肘の丸みも忘れずに描きましょう。
肘から手首にかけてやや細くなるように線を下ろし前腕を描く。
そして肘関節から7mmくらい下のところに小さくふくらみをつける。
⑩手
手は複雑なパーツなので難しく感じますが、甲と指に分けて描くと描きやすいです。
手全体の大きさは顔と同じくらいになるので、大きめに描きましょう。
親指は他の4本と離れているので手首から生えているイメージ。
指の関節は3つあるので、関節にそって線を引く。
⑪顔
ここでは案内線しか描いていませんが、頭の縦・横それぞれ1/2部分に線を引き、その横線に目の上まぶたを描く。目と目の間はもう一つ目が入る幅分あけるように考えます。
鼻の位置は頭の縦線から1/4に横線を引いたところになり、口の位置は頭から1/6のところに置くとバランスのいい顔が描けます。
ボディが完成!
これでヌードを描くための土台であるボディが完成しました!
これから色々なポーズのボディを描いていく時に覚えておきたいのが、正中線と重心線。
身体の中心を通る脊椎を示す線は正中線といい、首の正中線・胴の正中線・腰の正中線の3本が繋がっています。
首の付け根(フロントネックポイント)から真下に下ろした重心線は、重力の方向を示し、正面直立ポーズでは正中線と重心線は直線で繋がっています。
正面直立ポーズの場合はこの二つの線が重なりますが、ポーズが変わるとまた変わってきます。
この正中線と重心線をしっかり理解しておきましょう!
次はこのボディを基本に、肉付けしたヌードを描いていきます。
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