後ろ姿・横向きのボディの描き方

イラストの書き方

服の中には背中やヒップにデザインポイントがあるものも少なくありません。
後ろから見た身体も描けるようになるとよりデザインの表現の幅が広がるでしょう。

後ろ姿の描き方

身体の前後のシルエットはほぼ同じです。
今回は後ろ向きで手前に軸脚がある斜め向きの片脚重心ポーズの描き方を説明します。

 

①前向きの時と同じ要領でまずは身体全体を描きましょう。

 

②うなじ・背中・お尻の正中線(後ろ正中線)は、首・胴・腰の前正中線と向かい合うような形で描きます。
手前に軸脚がある斜め向きの片脚重心ポーズなので、正中線は手前側が広く、奥側が狭くなります。

 

③正面から見た腰の正中線と向かい合うような形でお尻の正中線も描きます。

 

④ヒップは、ヒップラインを超えた少し下あたりに丸みをつけましょう。
丸みの山は、手前側がヒップラインからB4サイズで約8mmになるように、
左右のバランスを遠近感を意識しながら描きましょう。

 

⑤ひざの厚みを決めましょう。
正面にひざ頭がある位置から5mmほどの位置に線を引き、
ふくらみを持たせたひざの内側を描きます。

 

⑥内ももの線はお尻の中心からひざに向かいほぼ直線に引きます。
なめらかな丸みをつけるともも裏の筋肉のラインがリアルになります。

 

⑦ふくらはぎを描きましょう。
正面から見た時よりも、後ろ姿は少しふくらはぎのふくらみが長く、
かつゆるやかになります。

 

⑧足を描きましょう。
正面から見た時と一番見え方の違いが出る場所は足です。
まずは足本体をネクタイの剣先のように描きます。
このとき剣先は少し上向きになります。
次にかかととつま先を描きましょう。
つま先とかかとの向きはほぼ平行になり、遠近感で斜め上に向かうように気をつけましょう。

 

⑨反対側の足です。同じようにネクタイの剣先の形を描きます。
しかし、軸脚が手前にある斜め向きのポーズなので、
添え脚の足は正面から見たポーズを描いた時よりさらに小さく、上にあるように見えます。
こちらもつま先とかかとの向きがほぼ平行になるように描きましょう。

 

⑩次は腕を描きましょう。
前から見たときの腕の曲がり具合や手の指の位置に注意して描きます。

 

⑪後ろ姿の頭は耳とまつげで表現しましょう。
首の延長線に接するように耳を描き、
顔の輪郭の目の位置から少しだけまつげの線を引くと雰囲気が出ます。

これでボディが完成です。

 

⑫ボディを描いた紙に新しく紙を一枚かぶせ下敷きにし、
クリーンアップして描いていきましょう。

 

⑬首やウエストなどの関節部分はカクカクさせずに
なめらかに結び人間らしさを出します。

 

⑭後ろ姿のお尻は一番重要です。
やわらかな丸みをつけましょう。

 

⑮足も丁寧に描いていきます。
くるぶしの山を描き、甲は指のところで少し折れます。
中指を頂点に指の長さと見え方を調整して描きましょう。
添え脚側の足は軸脚側より指の見える角度が違います。
土踏まずをしっかり描くことと親指が内側にあることに気をつけましょう。

 

⑯肩甲骨はバックスタイルならではの表現なのでしっかりと描いていきましょう。
これで後ろ姿のヌードも完成しました。

 

横向きのボディの描き方

横を向いた身体が描けるようになれば、これで全方向から見た身体が描けるようになります。
デザイン画で横向きに描くことは少ないと思いますが、
絵の表現の幅が広がるので横向きの描き方のポイントを説明します。

横向きのボディは、正面から見たときに直線だった正中線がS字になっていることが特徴です。
また、上半身のS字脚のS字は逆向きになっています。
枠は一番端の線に肩甲骨とお尻がくっつくように使いましょう。
今回は身体の左側が正面に見える横向きのボディを描いていきます。

 

①まずは正中線の傾きを描きましょう。
フロントネックポイントは、1頭部幅の片側になります。
今回は身体の左側が正面に見える横向きのボディなので、
向かって右の線にフロントネックポイントがきます。
フロントネックポイントから2mmほど左の首のラインに向かって斜めに線を描きましょう。

 

②胸の部分の正中線を描きます。
枠の一番中心の線に向かい、フロントネックポイントからなだらかにふくらみをつけた線を描きましょう。
肋骨が入っているのを意識するとイメージしやすいです。

 

③そのままウエストラインの位置(ウエストポイントは枠の真ん中の線)まで線を引きます。
2.6頭身目あたりで約2mmほどふくらみをつけ、なだらかな山にしましょう。
これで正中線が描けました。

 

④首の太さは正面から見た時と同じ太さにしましょう。
肩甲骨が枠の一番外側に来るのを意識し、角度を調節しましょう。
首の付け根の線は右斜め約3mmほど上がり線を引きます。

 

⑤首から肩甲骨のラインを描きます。
フロントネックポイントのラインから約7mmほど下がったところで
1/2頭部幅の肩甲骨を縦に平たく、枠の一番端に描きます。

 

⑥次はウエストです。
横向きのウエスト幅は1頭部幅で正面向きと一緒です。
肩からなめらかにウエストポイントまで描きましょう。

 

⑦次は腰です。
横から見た下腹部は少しふくらむと人間らしく見えます。
ウエストラインからヒップラインまでに約2mmほどなだらかな山に線を引きます。
横から見た股の位置はヒップラインの位置になります。

 

⑧お尻側の腰は、1頭部幅のウエストラインからヒップライン、
そして後ろ側の股の位置(4頭身目)で止まるようにJのような形を描きます。
股の枠の一番端にお尻の頂点が来るように意識しましょう。
そしてヒップラインから4頭身目のラインまでを結んでももの付け根線を引きましょう。

 

⑨足首の位置を決めます。
横向きのボディは後頭部・背中・お尻・ふくらはぎ・かかとが一直線上にあるので、
それをふまえながら足首の○を描きます。

 

⑩前側の股の位置から足首へ案内線を直線で引きましょう。
ひざのラインの位置に5mmほど内側に入った位置にひざ頭の楕円を描きます。

 

⑪ふくらはぎの頂点が枠の一番端にくっつくので、
バランスを考えながらすねの線を引きましょう。

 

⑫後ろ側のももです。
後ろも前と同じように、おしりの丸みの終着点から足首まで案内線を引きます。
ひざまでは案内線と交わった直線です。

 

⑬ふくらはぎは6頭身目あたりでふくらみ始め、
6.5頭身目あたりで足首に向かい
細めていきましょう。

 

⑭次は足です。
ネクタイの剣先を描き、すねとかかとを描きます。
ももとすねは重なって見えてもいいですが、
足は奥にある方も見えるように2つ描くといいでしょう。

 

⑮腕を描いていきます。
アームホールの楕円を描きます。
枠の2頭部幅のラインから3mmほど外側に出たあたりの位置に二の腕がくるように、
鎖骨のラインが肩の位置になるように描きます。
楕円の大きさは鎖骨からバストポイントまでの5/6が目安です。

 

⑯上腕はそのまま緩やかな直線で前も後ろもひじの位置である
ウエストラインまで引きましょう。

 

⑰前腕は前方向に少し曲がるので、
手首の位置を設定してからそこに向かってなめらかに線を引きます。
手も描きましょう。

 

⑱首の正中線から卵型を描き、後頭部の張り出しを描きましょう。
枠の端につくように、正面よりも幅を持たせて大きな三日月型を描けば横向きのボディの完成です。

 

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