身体の向きによる変化

イラストの書き方

これまでで立ちポーズには直立と片脚重心の2種類しかないことを説明しました。
次に身体の向きによる変化について説明します。ボディは見えるアングルが変わると、
正面向きでは左右対称だったものが斜めから見るとそうではなくなるのです。
まずは正面向きのボディの特徴と、
横向きのボディの特徴を見てみましょう。

●正面向きのボディの特徴

  • 顔は卵形
  • 首・胴・腰の正中線は一直線
  • 両脚は気をつけの姿勢のように合わせるとV字になる

●横向きのボディの特徴

  • 卵型の顔に三日月型の後頭部がつく
  • 首・胴・腰の正中線はS字になり、後頭部・背中・お尻・ふくらはぎ・かかとは同一線上にある
  • 横向きの脚はS字になり、上半身と下半身が互い違いのS字になっていることがわかる

この両方の特徴を中和させたものが斜め向きボディの特徴になります。

●斜め向きボディの特徴

  • 卵型の顔に後頭部が少し張り出す
  • 首・胴・腰の3本の正中線はゆるやかなS字になる
  • ウエストラインと腰の正中線はゆるやかなJ字になる
  • 脚は手前側がつま先が正面向きなのでV字の片割れになり、おだやかな3字を描いている

 

斜め向きのボディは正面から見えなかった後頭部や背中、
お尻のラインが見え身体を立体的に表現できるようになります。

斜め向きボディの描き方

①今まで使っていた枠図を使います。
まず頭・首・フロントネックポイントに点をうち、3点を結んだ直線の重心線を8頭身目まで引きます。
点をうった1頭身目の首のポイントから、B4サイズで外側に3mmほど前倒しに点をうち、
フロントネックポイントと結んで斜めの首の正中線を描きます。

 

②次に3頭身目のウエストラインの線に、重心線から首と同じ方向に10mmほど横に点を打ちます。
その点とフロントネックポイントの点を直線で結びます。
2頭身目あたりで直線より2mmほどの高さの山を作り、肋骨のふくらみを出します。

 

③胴は②で描いたふくらみのある直線のウエストラインから直角に真下に向かって
直線を股のライン線まで引きます。
上1/3あたりでゆるやかに折れはじめ、重心線に向かってJの字を描きます。
これで今まで直線だった正中線がS字の湾曲になりました。

 

④次に顔を描きます。
首の正中線の上に卵型を描き、上2/3あたりで三日月型の後頭部を描きます。

 

⑤首を描きましょう。
首は斜めを向くと少し太くなります。手前に見える方は正中線から13mmほど横に、
奥に見える方は正中線から1mmほど外側に線を引きましょう。
首の断面を見てみると扇形のような形になっていることから、奥と手前の幅に大きな差がつきます。

 

⑥次に肩幅です。
正面から見る肩幅は2頭部幅ですが、斜めから見ると少し短くなります。
B4サイズで4.8cmとしましょう。
正中線から手前に見える方が3cm、奥に見える方が1.8cmに点をうち、
肩幅を描きましょう。左右の幅が遠近感で変わるところがポイントです。
肩のラインを首の下から1/3のところで引きます。

 

⑦ウエストラインを描きましょう。
ウエスト幅も肩幅と同じように手前が広く、奥が狭く見えます。
B4サイズで2.5cmとし、手前が1.5、奥が1cmになるように点をうち幅を決めます。

 

⑧肩とウエストラインを直線でつなぎ、バストラインでふくらみをつけます。
奥が2mm、手前が5mmほど横に広がるようにバストポイントを頂点に山を作りましょう。

 

⑨奥のバストの高さをB4サイズで5mmと決め、山を描きます。
大きさはバストポイントから上下1cmずつです。
ここまでで円錐のような形ができていると思います。
そのとがった円錐に丸みをつけてバストらしい形にしていきましょう。
バストの円錐の底辺から間を3mmほどあけてもう片方(手前側)のバストを描きます。
バストは中心からハの字に広がっている形をしているので、
斜めから見ると同じ形が2つ並ぶのではなく、奥は横向き、手前が正面向きになっています。

 

⑩腕の付け根(アームホール)を描く。
肩甲骨に接するように胴の中に楕円を描きます。
鎖骨からバストポイントまでの5/6までが楕円の大きさの目安です。

 

⑪次は腰を描きます。
ヒップラインにヒップ幅を取ります。
腰も手前が広く(B4サイズで3cm)、奥が狭く(1.8cm)見えるので合わせて4.8cmになります。
ウエストラインとヒップラインを結びましょう。

 

⑫股の部分、恥骨のふくらみを描きます。
そして脚の付け根をヒップラインに向けてなめらかに描きます。

 

⑬腰とお尻のふくらみを描きます。
腰の山の位置は今まで通り奥側がB4サイズで3mm、手前の部分はふっくらと6mmほどにしましょう。

 

⑭次は脚です。
足首の位置を決め、脚の付け根と足首を直線で結び案内線を描きます。

 

⑮ひざ頭は左右、案内線から内側に5mm入った位置に楕円を描きます。
奥の脚はつま先が横を向いているのでひざのまるみを覆うようにS字型に肉付けします。
股関節とひざを繋ぐと太ももの線ができます。
4頭身目から案内線から離れてひざに向かいます。
手前側のひざ頭も肉付けをし、股関節と膝の外角線を結びます。

 

⑯次はすねです。
奥側は足首に向かって大きく反り返っています。
手前側は少しふくらみをつけ6頭身目で曲がり案内線と交わります。

 

⑰手前側の内ももの線は、はじめの1cmはまるみをつけむっちりとした感じを出し、
その下からはほぼ直線のなめらかな線を引きます。
手前側の内側のふくらはぎは少しふくらみをつけ、6.5頭身目で案内線と交わります。

 

⑱足を描きましょう。
奥側はネクタイの剣先を意識しながら、横向きに斜めに描きます。
かかとである三角形の底辺は足の1/2が大きさの目安です。
剣先の三角形の先からハイヒールの形のようにつま先を描きます。
手前側もネクタイの剣先を意識し、正面向きに描きます。

 

⑲次に腕を描きましょう。
手前の腕は身体にめり込むように、1.5頭部目幅くらいから描き始め
肩の丸みをつけます。ちょうど外枠に接するように立体感をつけましょう。
2頭身目を過ぎたあたりから直線になり、内側も直線でウエストラインの線まで引き上腕を描きます。
前腕は斜めから見ると少し前に曲がって見えるので、4mmくらい前に手首の位置を出します。
外角線と内郭線をひじから先細りになるように描き、肉付けをします。
奥側の肩は3mmほどふくらみを付けて描き、真っ直ぐ下ろします。
こちらの前腕も少し前に出し、ふくらみをつけましょう。

 

⑳最後に手を描きます。
手前側は1/2頭身より少し小さめに描き、奥側はそれより更に少し小さめに描きます。

これでボディが完成したので、
紙を重ねヌードをなめらかに描いていきましょう。

 

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